■おてんのさんがやって来る。
富士市に夏の訪れを告げる吉原祇園祭は毎年6月の第2土曜日と日曜日の2日間にわたっておこなわれる。
各町内が飾り立てた21台の山車(だし)の引き回しや、各神社の神輿(みこし)が練り歩き、吉原本町通りには200軒を越す露店が並ぶ。
人出も延べ20万人を超える賑わいだ!
吉原祇園祭は通称おてんのさんと呼ばれ、350年余りに渡って親しまれてきた。この祭は、京都の祇園祭の流れを汲み、悪霊、疫病を退散させる祈りが、祭の形となって受け継がれたもの。
近年は、さらに今泉八幡神社・和田町の山車も加わりますます賑わいが増してきている。
■おてんのさんとは
実はインドの午頭天王(ごずてんのう)という神様の事なのです。祇園精舎というお寺の守り神様で、のちに京都の八坂神社で奉られ祇園祭りになりました。 さて、日本にはヤマタノオロチを退治した須佐之男命(スサノオノミコト)という強い神様がいます。長い歴史の中で二人の神様は習合されて邪気、悪霊、病魔を祓う今日のお祭りになりました。
■山車(だし)はいつから?
万治三年(1660)、無理難題を押し付けられた問屋場の主人が天神様に願をかけ、無事仕事が終わったお礼に社殿を寄進。その年の祭で依田橋の住人が船に車輪をつけ引き回し、大練りとなったのが始まり。2010年は山車誕生350年の記念すべき年になります。
■山車の特徴
吉原祇園祭の山車は、東海道東西文化の交流点らしく、“山車タイプ”“屋台タイプ”そして“両者を巧みに組み合わせたタイプ”と全国でも珍しい取り揃えの21台。山車同士のすれ違いでは、相手に負けまいと強烈な音で太鼓や鉦を打ち鳴らし、町中を清めます。ライトアップされた山車の美しい彫刻、響くお囃子の音、吉原の街は若い衆の熱気に包まれます。
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